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FXを始めたばかりの人が悩んでしまうのが専門用語の多さです。そして、FXの勉強をした時に必ず出てくる言葉がロングとショートです。
初めてショートと言う言葉を耳にした人は、意味がよくわからなく困惑することでしょう。この記事を読むだけで以下の5点を理解することができます。
- FXのロングやショートはどういう意味なの?
- ロングの特徴や使い方
- ショートの特徴や使い方
- ショートをどんな局面で使うのが有効か?
- ショートを使う際の注意点
この記事を読み終わる頃には、初心者の方も安心してショートを使えるようになっているはずです。
目次を見るだけでも内容を掴むことはできるので、必要な箇所だけでもお読みください。
FXのロング・ショートの意味を説明
ロングとはFXにおいて買い注文をすることです。買いポジションを保有している時もロングを保有していると言い、ショートはFXで売り注文をすることで、売りのポジションを保有している時もショートを保有していると言います。
証券会社の画面にはASK、BIDと表示されることも多いので合わせて覚えておきましょう。海外の方はブル・ベアを使われる方もいますが(トレンドでも使う)最近、あまり聞かなくなったので、参考程度に覚えておくくらいで良いです。
実際にドル円を売買するケースで考えてみます。
値動きの予想 | 注文方向 | 意味 |
ドル円が上昇すると予想した場合 | ドル円をロングする | ドルを買って円を売る |
ドル円が下落すると予想した場合 | ドル円をショートする | ドルを売り円を買う |
このことからFXとは、2つの通貨のうち片方の通貨を買い、片方の通貨を売るということがわかります。
今後ドルの価値が上がりそうと思えば、ドル円のロングをします。
逆にドル円の価値が下がりそうだと思えば、ドル円のショートをするのです。
FXのロングとショートの言葉の由来はポジションを持つ時間が関係している
初心者の方はロングやショートがなぜ買いや売りという意味で使われているのか不思議に感じるかもしれません。
もちろん、FXにおけるロングとショートには長いや短いという意味はありません。FXで買いをロング、売りをショートと呼ぶようになった理由は諸説ありますが、最も有力な説について解説します。
一般的に投資の世界で上昇するケースでは、価格はゆったりと上昇します。そのため上昇に掛かる時間は長いです。
一方、下落するケースでは、価格は短期間で一気に下落することが多いです。
このことから相場の世界では買い注文はロング、売り注文はショートと呼ばれるようになったそうです。
ロングとショートで利益が出るケースと損失を出すケースを解説
ここからはロングとショートで利益が得られるケースと損失を出すケースを解説します。
現在のドル円の価格が100円です。ロングをすればその後の値動きによって以下のような結果となります。
売買方向 | 105円や110円に上昇した時 | 95円や90円に下落した時 |
ロング | 利益 | 損失 |
ショート | 損失 | 利益 |
100円でロング注文をした場合、価格が105円や110円に上昇した時に決済すれば利益になります。逆に、95円や90円に下落した時に決済をすれば、損失になります。
一方、ショート注文をした場合はロング注文をした場合とは全く逆の結果になりますね。
つまり、FXは将来の価格が上昇するのか下落するのか予想し、ロングorショートをする投資です。
上がるか下がるかロングかショートという言い方をすれば理解しやすいですが、買う、売るという言葉が反対にややこしくしているようにも感じます。
ロングの特徴は上昇が長期間続くこと
FXにはロングとショートがあります。まずはロングの特徴について解説します。ロングの特徴は以下の2点です。
- 緩やかに上昇していくことが多い
- 上昇は長期間続くことが多い
ロングの上昇は緩やか
相場格言でも『登り百日、下げ十日』(上昇は100日かかるが、下落は3日)と言われるとおり、相場が上昇するのには時間がかかります。
そして、相場がしばらく上昇し続けていると、市場参加者の間でもロングが優勢になり楽観論が広がりやすいという特徴もあります。
外国為替市場や株式市場などで売買している人。個人投資家だけでなく、国や銀行、証券会社、ファンド、保険会社、貿易会社なども含む。
以下のチャートを見てください。このチャートは、2005年〜2008年頃のドル円相場の月足チャートです。
ドル円は2005年1月に大底103円台をつけていますが、2007年の6月には123円台まで上昇しました。
つまり、約2年6ヶ月の間相場はなだらかに上昇し続けたのです。
これだけゆっくりとした上昇相場であれば、どこからロングをしても、みんなが勝てる相場です。
最初の上昇に乗り遅れた人でも2006年5月以降の2回めの上昇に乗れました。
ショートの特徴は下落するスピードが速いこと
一方、ショートの特徴は以下の通りです。
- 下落のスピードは速く、滝のように下落することもある
- ネガティブなニュースに特に反応する
ショートは買い注文とは逆に下落をした時のスピードはとても速いことが多いです。以下のチャートは先程のチャートと同じく2005年〜2008年のドル円相場の月足チャートです。
2007年6月の天井圏から2005年に付けた安値である100円台に到達した時期は2008年3月です。
せっかく2年6ヶ月掛けて上昇してきた相場が、わずか9ヶ月で100円台に戻ってきたのです。ショートの下落スピードが速い理由は3つあります。
- 心理的要因
- 下落時はさまざまな注文が重なりやすい
- アルゴリズムが原因
まずは人間の持っている心理的な側面です。
人間はできるだけリスクを避けようとする本能があり、この性質は原始時代から変わっていないことが長年の研究によりわかっています。
人間は儲けたいという気持ちより、損をしたくないという気持ちの方が強いです。
したがって、想定外の下落が起きてしまうとパニック的な売りが発生しやすく、その結果下落のスピードも速くなります。
さらに下落時はさまざまな注文が重なりやすいです。例えば、それまで数年間上昇し続けた相場を思い浮かべてください。
ある日ニュースで取り上げられるほどの大暴落が起きました。この時その相場に参加している人は主に3種類のタイプに分けられます。
ポジションの保有状況 | 思惑 | 結論 |
ポジションを長期間保有し含み益が多い | 今までと明らかに違うことが起きた | 一応利益を確定しておこう |
ポジションを持ったばかりで含み益が少ない | すぐに決済しないと損失が膨らむかも | よし損切しよう! |
ポジションをまだ持っていない | この暴落に乗るチャンスだ! | 今からショートをして利益を得るぞ! |
つまり、ショートの場面では3タイプの勢力が一斉に売り注文を仕掛けることになります。
そのため最初は1円ぐらいの急落で収まるはずが、2円以上の暴落に発展するのです。
また近年はアルゴリズムによるトレードが増えているため、急落のスピードがさらに加速します。
アルゴリズムは、自動的に◯円まで価格が落ちてきたら損切をするというようにあらかじめ設定するシステムです。
アルゴリズムを採用しているのは大きな資産を持つ機関投資家なので、一斉にシステムが作動して、売りが売りを加速させる状況に陥るのです。
ロングとショートのメリットやデメリットは?
ここからはロングとショートそれぞれのメリットとデメリットについて解説します。一般的にロングは良いこと、ショートは悪いことと捉えている人が多いのではないでしょうか?
しかし、FXをする場合は、どちらが得でどちらが損ということはほとんどありません。
ただ、トレーダーでもロングは得意だけど、ショートはなんとなく苦手だなと感じている人は多いです。
ロング(上昇相場)のメリットはわかりやすいので初心者も注文しやすいこと
- トレンドが緩やかなので初心者でも注文しやすい
- 押し目買いがしやすい
- 安定した相場展開になるので、エントリーもしやすい
ロングのメリットは初心者でも注文しやすいことです。
ロングは緩やかに上昇していくことが多いため、相場の動きについていくのが苦手な人や初心者の人でも簡単に注文ができます。
また上昇する時は、目に見えやすい上げ下げを繰り返しながら上昇していきます。そのため、だいたいどこの価格帯でロングをして、どこの価格帯で決済をすれば良いのかイメージがつきやすいです。
トレンドラインも引きやすいため、損切のタイミングもわかりやすく、初心者の方でも利益を出せることがあります。
安値同士を結んだ右肩上がりの線のこと(上昇の場合)ライン上に価格が落ちても何度か反発しやすい。
ロングのデメリットは、利益を出すのに時間が掛かること
ロングにもデメリットがあります。それは利益を出すのに時間が掛かることです。ロングは上昇スピードが遅いため、長期的に利益を出すのは簡単です。
しかし、短期的に利益を出すのは難しいです。また暴落をするケースは多く、暴騰するケースは少ないです。
したがって、短期トレードで大きなpipsを獲得したい場合はあまり期待できないでしょう。自信のある相場では枚数を増やすなどの工夫で利益を上げていきましょう。
ショート(下落相場)のメリットは利益を得られるチャンスが2倍以上に増えること
- ロングの場合よりも圧倒的に稼げるチャンスが増える
- 利益を得られるスピードも速い
FXの最大のメリットは売りでもエントリーできることです。以下の表は長期的な下落相場がやってきた時の代表的な投資方法の対応方法です。
投資方法 | 対応方法 | 得られる利益の大きさ |
株式投資 | ロングしかできないので下落が終わるのを待つ ※1 | 下落時の上昇幅は少ないので利益も少ない |
投資信託 | ロングしかできないので下落が終わるのを待つ | 購入してほったらかしなのでチャンスはほぼない |
FX | ロングはやめてショート中心のトレードに変更(ロングも可能) | 下落時でも大きな利益を狙える |
※1 厳密には株式投資でもショート(空売り)は可能。ただし、買い戻す期間は決まっている。
FXでは長期的に下落が続くと判断すれば、ショートの注文が可能です。さらに、相場が横ばいのケースではロングとショートの両方が使用できるので、利益を得られるチャンスは2倍に増えます。
またショートの特徴は、下落のスピードが速いことです。したがって、ショートならロングよりも利益が得られるスピードも速くなります。
ロングで1回のトレードで1日200pipsの利益を出せるチャンスはほとんどありません。しかしショートであれば、たった1回のトレードで1日200pipsの利益を得られるチャンスも多くなります。
また、ショートのスピードが速すぎて損切りができないこともあるかもしれません。両建て注文でその場をしのぐことも可能ですが、両建ては外すタイミングが難しいので注意が必要です。
ロングとショートの両方のポジションを持つこと。いずれ、どちらかのポジションを外す必要はあるが、同じロットのポジションを持ち続けている限り、損失が増えない。証券会社によってはMAX方式を採用している会社もあり、両建て分のポジションは証拠金がかからない業者も多い。
注意点
両建ては含み損が増えないため便利な方法ですが、ポジションを外すタイミングを間違えると、大きな損失を出すデメリットがあります。
ショートは暴騰に巻き込まれて大きな損失を出す危険性がある
FXはショートを自在に利用できる反面デメリットもあります。
- ショートカバーによる暴騰に巻きこまれる
- 下落のスピードが速すぎるので注文と決済のスピードが難しい
- 下落スピードと同じように瞬間的なショートカバーは読みにくい
ショートをするデメリットは暴騰に巻き込まれる危険性があることです。以下のチャートは2016年11月9日のアメリカ大統領選挙前後のドル円日足チャートです。
当時のドル円相場はアメリカ大統領選挙に注目が集まっていました。
専門家の間ではヒラリー候補が当選すればドル円は上昇、トランプ候補が当選すればドル円は下落すると考えられていました。
結果は、トランプ大統領が当選しましたが、大方の予想と反して、ドル円の価格はその後の1ヶ月で16円も上昇しました。
もし、トランプ大統領が勝ちそうだからという理由で、ショートをしていたら、大きな損失を抱えていたところです。ショートは下落のスピードが速すぎる時があります。熟練者にとっては大きな利益を得られるチャンスです。
しかし、トレードに慣れていない初心者の方がこのような局面でトレードをしても、動きの速さについていけず、損失を出すことが多いです。
下落が早ければ、反転上昇した時の動きも速いので、売ってすぐ大きく反発することもあるので注意が必要です。
現役トレーダーはショートを3種類の方法で使い分けている
トレーダーはショートをどのように使い分けているのでしょうか?ショートは便利ですが、使い方を知らなければ意味がありません。
トレーダーである私自身はショートを純粋に利益を狙うために使うことが多いです。ショートを使っているFXトレーダーは概ね以下の局面でショートを使っています。
- 大局観で売りが優勢
- レンジ相場が続いていたが、下落方法に価格が突破した
- 上昇してきた相場で抵抗ラインに到達間近
大局観で売り圧力が強まっているなと感じたら、シナリオが崩れるまでは、ロングはせず、ショートで入ります。
特に週足や月足で売りが強くなりそうだなと感じたときは、絶好のチャンスです。積極的にショートでエントリーしましょう!
またなんども同じ価格帯で横ばいの相場が続いていたら大きな上昇や下落が起きる前触れです。以下のチャートを見てください。
青色の2本のラインは過去何回も跳ね返されている高値と安値です。
このような相場では、どちらかに価格が飛び出せば、大きな値動きに発展するケースが多いです。
実際に、過去の安値を◯の場所で割れた結果、5円以上の暴落をしました。
また、逆張りに使用することもできます。青色のラインのうち高値を結んだラインは、過去何度も上昇しても跳ね返されてきたラインです。
したがって、このラインの付近でショートをすれば、少なくとももう一つの安値を結んだラインまでは下落する可能性があります。
逆張りの良いところは、利益が大きく、損失はある程度抑えることができる点です。
もし、跳ね返されずにそのまま高値を突破してもすぐに損切をすれば、損失を最小限に抑えることができます。
ショートをする際の注意点
ショートを使う上での注意点について解説します。
ショートをする場合通貨によってはスワップポイントを毎日支払わなければなりません。
例えば、ドル円で10,000通貨のショートをすると業者により違いますが、1枚持っているだけで1日に30円ずつ支払わなければなりません。1日ならたいしたことがありませんが、1ヶ月で×30日分、1年なら×365日分です。
長期間保有していた場合は、利益が出たのに、思っていた以上にスワップポイントで利益が少なくなることもあります。
したがって、ショートをする時は、ルールに従って、すぐに決済をする時や、長期的に下落が続く時以外は避けましょう。
こんなときは危険!ショートをしては危ない場面
ショートをする際には以下の場面ではショートをしてはいけません。
- 相場が一気に上昇トレンドに転換した
- それまで横ばいだった相場から一気に上昇し始めた
- 下落していた相場が抵抗ラインに落ちてきた
相場が下落や横ばいから上昇トレンドに転換した時は危険
相場が下落や横ばいから急激に上昇し始めたときにショートをするのは自殺行為です。
むしろ、積極的にロングで仕掛けたほうが利益は出しやすいでしょう。また横ばいの相場を上昇方向に突き抜けた時もその動きに逆らうのは良くありません。
下落していた相場が抵抗ラインに落ちてきた時
誰がどう見ても長期間下落トレンドが発生していれば、ショートで入るのは自然な行為です。
しかし、今の価格帯が抵抗ラインに近いのであれば、一旦ショートで入るのは慎重になりましょう。
なぜなら、抵抗ラインに到達後、価格が急激に上昇することがあるからです。
例えば以下のチャートは、1時間足のチャートです。
誰がどうみても下落トレンドです。このような相場を見ると、ショートで入れば利益を得られる確率は高そうです。しかし、私はショートでのエントリーは慎重になります。その理由は2枚目のチャートを見ればわかります。
2枚目のチャートは日足のチャートです。左端の◯が1枚目のチャートと同じ日のローソク足です。日足でみると現在の価格帯では過去に2回も跳ね返されています。
今からショートをしても利益幅は少なく、むしろ上昇を狙った方が良いぐらいです。実際に過去の値動き2回はいずれも反発しかなり上昇しています。
このように過去の値動きを過信するあまりショートをすると、大きな損失を出すことがあるので危険です。
ショートは初心者の方も使えるようになろう
初心者の方はロングでの取引のほうが、ゆったりとしたトレードができるのでおすすめです。
しかし、相場環境が変化し、2008年のリーマンショックや2019年のフラッシュ・クラッシュのような大暴落が起きた時に、ショートができないのでは、利益を得ることができなくなってしまいます。
まずは、ショートに慣れることです。普段の半分のロット数でショートを利用してみましょう。