【PR】この記事は広告が含まれていますFXは怖くてやりたくないけど、スワップ取引に興味があるという人はかなり多いです。日本人は投資(投機)よりも貯蓄を考える人が多いので、銀行の普通預金より金利の高い外貨、特に高金利のトルコリラは以前から人気の高い通貨でした。
2021年の時点でトルコリラ円を1万通貨持っていると1日16~30円前後の金利を獲得できますが、トルコリラは毎年のように値崩れを起こしていて、レバレッジを効かせた取引をしていると強制ロスカットを食らってしまうケースも多いです。
よくエルドアン大統領の失策と言われていますが、私はそれだけが原因とは思えません。もちろんファンダメンタルズ的な要素や、トルコの経済事情もあると思いますが、トルコリラだけが下落を続けているのは、理由があると考える方が自然だと思います。
今後の見通しについて考えていきたいと思います。
今後のトルコリラの行方は?
トルコリラを持っている人は、上記の写真が誰かすぐにわかると思いますが、一般的には知られていないトルコのエルドアン大統領です。
彼の発言でトルコリラの価値が10%以上乱高下することもあります。トルコの顔とも言えるエルドアン大統領ですが、大統領の発言で一時的にトルコリラの価値が乱高下することはありますが、長期的に見てもトルコリラは価値を下げ続けています。
こちらの記事は2020年6月にトルコリラのことについて書いた記事ですが、この当時でトルコリラ円の価格は18円。この2年前に私もポジションを持っていましたが40円でした。
ここで考えたいのが、いくら大統領の発言と言えども、1つの国の通貨価値がこれほど一方通行に下落するのか?ということです。
当時はアラブの春などの影響で、ISISが駐在する国と隣接しているなどの地理的リスクからトルコリラが売られていると解説されていたことが多いですが、今は大統領の失策によりトルコリラが売られていると解説するアナリストが多いです。
批判するわけではありませんが、アナリストは結果に対して理由を考える専門家ですが、この下落はどう考えても異常と思った方が良いでしょう。
トルコリラ円の価格は?
直近のトルコリラ円の日足チャートです。時間足ではないですからね。日足です。
長い間13円台をキープしてきましたが、12円、11円と緩やかに下落していき、6.095を一旦つけて急騰。本日は一度10円を超えましたが勢いは続かず上ヒゲを残して下落しています。
3σのボリンジャーに跳ね返されたと考えて良さそうです。きっと年末までにボリンジャーはスクイーズして年始に再度下落するのではないかと私は予想しています。
売りポジションの決済で一時的に買われたと考えた方が自然で、継続的に下落を続けそうな形にしか見えませんね。2018年からのトルコリラ円の週足チャートです。2018年7月に一度15円をつけたものの22円まで回復。2年かけて緩やかに下落しています。
トルコリラを持っていない私が見たら緩やかに下落ですが、ロングをキープしている人は毎日イヤな思いで過ごされていたのではないでしょうか?
日に日に資産価値が下がっていき、場合によっては含み損を抱えたまま2年以上生活していたことになります。
為替なので上がるときもあれば、下がるときもありますが、長い目で見るとショートしておけば勝てる戦いでした。
中にはトルコリラ円をショートしているトレーダーも多いんですが、マイナススワップがえげつないんですよね。買いで15円くらいなのに、売りだと35円とか取られるので、長期保有しておくのも気が滅入りそうです。
どんな経済政策を打ち出しても元の価格に戻ることは考えにくい
2021年12月1日にトルコ中央銀行は、自国通貨防衛のため為替介入を行ったと発表しました。
11月30日のチャートを見ると上ヒゲをつけたものの上昇せずに下落を続けています。世界的に見ても為替介入で成功した事例はありません。
日本はサブプライムショックのときに為替介入をしましたが、やはり失敗。下落に拍車をかける結果になっていますし、アメリカもヨーロッパも過去の為替介入は失敗しています。
政府としては口先介入くらいがちょうどいいのかもしれません。「やるぞ!やるぞ!」と言いながら介入しないのが効果が高いですよね。
もしかしたら、トルコの大統領が変わったらトルコリラの価値は変わるのかもしれませんが、それは今は誰にもわかりません。
以前はトルコリラ円の価値は40円以上ありましたが、今は9円です。これが失策だけによるものとは考えにくいと私は思っていますし、元の価値まで戻る可能性は低いと考えた方が良いと思います。
サブプライムショック前にポンド円を買った私の友人は230円のポンド円のロングを今も持っています。元の価格に戻る可能性はあるのかもしれませんが、いつになるかわかりません。
それがFXの怖いところでもあるのです。
トルコリラを買うなら短期で手を引くのが一番!
世の中に美味しい話はそうそう転がっていないということです。政策金利が高くて外国からお金が集まることがわかっていれば、ポジションは必ず溜まっているので、ファンドから見たら良いエサです。
私がファンドでもきっとそうします。限られた時間の中で利益を出さないといけないのが仕事ですから、売りが始まったタイミングで大量の売りを仕込んで下落させて稼ごうとするでしょう。
円キャリートレードのときもそうでしたし、サブプライムショックのときもそうでした。投資格言では『靴磨きが株の話をしたら売り時』という言葉があります。
日本の場合だと主婦がFXの話をしたり、暗号資産の話をしたら売り時かもしれません。
ただし高金利はやはり魅力的です。トルコリラ取引をするなら短期間で手を引くか、許容できる含み損を予め決めておいて、許容額を超えたら泣いてでも手を引くというルールが必要かもしれません。
過去からトルコリラ円の取引で全財産を失ったとか1,000万円以上の資産を溶かしている人がいます。
中には面白がって取引する猛者もいる!
マジでやらかした… pic.twitter.com/Y6HGYfdnis
— Gifu-Boy ☉♰☉ (@gihuboy) December 20, 2021
今月+500万くらいなんだけど、稼げども稼げどもトルコリラ円に相殺される。 pic.twitter.com/HJ0QwSDilk
— Aki 生配信する投資家 広島県江田島に移住 (@aki_fx1) December 20, 2021
トレーダーは急落や急騰は大好物なので、勢いに乗って取引する人もいます。ワンチャンありそうですし、トレンドを掴めたら上から下まで取れるので美味しいと感じる人は多いです。
ヒロセのガォーで目が覚めました。
トルコリラ…結局プラマイゼロで助かった。トルコリラ握って年越しなんて絶対に嫌だった。生還。 pic.twitter.com/o9lXWeCQtz
— Aki 生配信する投資家 広島県江田島に移住 (@aki_fx1) December 20, 2021
アキさんはプラマイ0で決済できたようです。流通量の少ない通貨は少しのことで価格が動くので、取引時は注意しましょう。美味しいと感じる通貨ペアほど罠が多いものです。
トルコリラの取引はおすすめしません!
当ブログでは、スワップ取引をするならできるだけリスクを排除して取引した方が良いというお話をさせていただいてきました。
そもそもFXはリスクの高い投資行動になるので、リスクを極力排除していく必要がありますが、過去の記事で面白いものがありました。
【参考】夢の金利生活!スワップポイントで月30万円稼げるのか徹底検証!】
この時のトルコリラの価格は18.730円。毎月コンスタントにスワップで30万稼ぐには1,000万円必要で損切りラインは11.178にしましょうとしていましたが、あっさり損切りラインを超えています。
2019年に書いた記事ですが、トルコリラ以外に南アフリカランド、メキシコペソの価格は大きく変わっていないものの、トルコリラだけ極端におかしい動きをしてきたことがわかります。
記事どおりに運用していたらトルコリラ以外の高金利通貨取引ならスワップ取引だけで720万円稼げていたことになりますが、トルコリラだけは爆死していたことがわかります。
トルコリラをすでに持っていて、含み損を抱えているなら、上がってくれるように祈るしか方法はなくなってしまいます。今後、通貨価値が上がるとは現時点では考えにくいので、早めに決断した方がいいと私は考えています。
まとめ
希望的観測を求めて、当記事をご覧になられた方もいるかもしれませんが、チャートの形を見るとトルコリラは現時点では買える環境にないと私は思っています。(2021年12月時点)
また、FXはファンダメンタルズよりもテクニカルで考えた方が勝てることも多いですし、トルコ当局がどのような経済政策を打ち出してもトルコリラの価格が2年前の18円に戻ることは難しいのではないかと思えます。
FXは無理のない範囲で取引したいものです。(自戒)