【PR】この記事は広告が含まれています最近は『FXトレーダーは法人化(法人口座)した方が、所得税や住民税の税率が下がるから節税になる!やるべきだ!』という声を聞かなくなった気がします。
個人投資家が法人成りをするということは、個人が株式会社(合同会社)の代表になり、法人登記をするということです。
さらに分かりやすく説明すると、個人投資家川瀬が、川瀬インヴァスト株式会社の代表取締役になる。こんな感じです。
- 国内FX業者でもレバレッジ100倍前後で取引できる
- 所得税等の税金が安くなり、節税になるかも?
- 法人化することで自宅(持ち家でも賃貸でも)事務所家賃として計上できる
- 社会的信用の低い個人投資家が社長と名乗れる
- 法人化することで銀行から借入をして数千万円単位で取引ができるかも!
個人投資家が会社を設立することで考えられるメリットを上げてみました。
今回の記事を作成するに当たり、税法上の絡みも多く顧問税理士に意見を聞きました。また、『FX個人投資家のための法人口座をつくるメリットQ&A改訂版』を参考文献として本記事を作成しています。
私もかなりFXの税金を勉強しましたが、税金のことや税率は毎年変更があり、専門知識が必要な分野です。あくまで私が知り得た知識の範囲内での説明になることと、最終的な法人成りの判断は税理士に相談するなど、熟考を重ねて判断していただけますようお願い致します。
あまり無責任に法人化した方が良いとは言いません。私も真剣に悩んでいたこともあったので、同じお悩みをお持ちの方が少しでも参考になれば嬉しい限りです。
ちなみにFXの確定申告(国内業者を利用している場合)の確定申告方法等はこちらの記事が参考になります。
投資家川瀬の結論:法人化をするメリットはない!
はい、ここで結論が出ました。FX投資家が法人化するメリットはない。以上です。
税理士の柴崎照久氏の計算によると、年間3,600万円以上の投資益があれば節税のための法人化はアリと言っています。
ハイレバレッジで取引したい方は、先に投資益が安定的に3,600万円を超えてから検討しても遅くはないと思います。調査した内容を書き進めていきます。興味がある方は読み進めてください。
- ハイレバレッジ(100倍前後)で取引できる
- 必要経費の範囲が広がるので、節税対策になる(家族等に給料を払える)
- 最大9年まで赤字繰越が可能(個人は3年)
法人化のメリットは、節税よりもハイレバレッジで取引できる点に注目している方が多く『レバレッジが25倍では足りない!ハイレバで短期間に稼ぎたい!海外FX業者には不安がある』という方が興味を持っている側面もあります。
- 会社設立と維持に手間と費用がかかる
- 確定申告が決算書に変更になるので税理士が必須になる
- 社会保険加入など必要経費が増える
- 会社のお金は社長であっても自由に使えない
法人にすると、FXの利益は全て法人に入金され、社長は会社から給料という形で報酬を受け取る形になります。この点も少し面倒で給料(役員報酬)は事前に決めておく必要があり、役員報酬の変更は議事録を作成して変更する必要があります。
健康保険は国保から社保になり、会社名の入った保険証を使用できるので少しカッコいいですが、社会保険料は労使折半です。この場合、労使共に本人になりますよね。
大まかな雰囲気ですが、健康保険料が国保の場合、健康保険料は現在の2倍程度になると考えてください。(役員報酬の金額による)
社会保障費は全額控除対象になり、年金受け取り金額も増えます。デメリットと言い難い部分もありますが、毎月キャッシュアウトするので、ボディーブローのようにじわじわ効きます。
仮に家族を役員に入れた場合、全ての役職員の保険証が社保になります。
法人口座のメリットをヒロセ通商が説明しています
日本国内のFX業者のほとんどが法人口座を用意しています。ヒロセ通商の画像が一番ピンと来たので添付しておきます。
FXの法人化が騒がれていた時期は所得税が総合課税だったから
少し難しい説明になりますが、現在の日本のFXの税金は申告分離課税で所得税と住民税を合わせて20.315%です。
会社員の方は高いと感じる税率かもしれませんが、年間1,000万円以上利益のあるフリーランスや法人経営者は安いと感じる税率です。
以前のFXの儲けは総合課税で所得税が計算されていました。最高税率は50%(段階的に上がるので実質的には40%前後)このときであれば、節税のための法人化もアリでしたが、冒頭でも説明したとおり、目安になる運用益は3,600万円です。
これほど、申告分離課税は安く優遇されているということなのです。
ちなみにハイレバレッジで取引を考えた場合、海外FXを検討している方もいることでしょう。海外FXで得た利益は総合課税が適用されます。
ざっとした計算になりますが、仮に海外FXでハイレバレッジで年間利益が1,000万円出た場合、400万円くらいが所得税と住民税に持っていかれます。
税理士がFX法人化をすすめてくる理由
投資会社として法人化した方が良い方もいます。会社としても財産を残せますし、個人にかかる税率を節税できる面もあるので、一概に法人化が悪いという話でもありません。
前提にあることは、安定して稼ぎ続けられるか?が重要です。
ただし、何も調べずに税理士に相談すると「やった方が良いと思いますよ」という税理士は少なからずいることに注意が必要です。
法人化の手続きは自力で行うこともできますが、素人が1から調べて手続きするよりも専門家に任せてしまう方が効率が良く、実際に利益を出しているトレーダーなら『20万円くらいで全部やってくれるならお願いしてしまおう』と考える方が多いのではないでしょうか?
また、法人は確定申告ではなく決算書の作成が毎年必要で、一人会社の社長でも議事録を作成して、役員の給料を決めて、決算書を作成する必要があります。
自力で税金の素人が決算書を作るのは手間と時間がかかります。
無理ではないと思いますが、貸借対照表、損益計算書、議事録などを自力で作成している時間があるなら1本で多くトレードしていた方が儲かりますよね。
税理士も仕事なので、自分の顧客になりそうな人にはアドバイスもしますが、法人成りが決まれば顧問契約もやってくれるだろうと考えますので、法人化を勧めてくる税理士もいるらしいです。
とはいえ、実際にFX会社には法人用口座があります。必要に応じて法人口座を作るようにしましょう。
顧問税理士の話によると・・・
冒頭でも説明したとおり、投資に対する税金はすでに優遇されています。
税理士の話では『FX投資だけで法人化しても言うほどメリットはない』という話です。
※私の顧問税理士の意見なので、これが全てではありません。
- 所得税、住民税の税率は20.315%
- 消費税免除業種であること
- 個人であっても必要経費を計上することができる
このような意見も踏まえて、FX投資だけで法人化するのはハイレバで取引できる以外に大きなメリットを感じません。
私を含め個人投資家と呼ばれている人の多くは、FXだけでなく株式取引や不動産などの家賃収入、FX会社へコラムの執筆、権利収入を持っている方が大半だと思います。
中にはTwitterでフォロワー数も多く、FXだけで生涯年収を超える金額を稼ぎ続けている猛者もいますが、彼らのように個人で毎年1億円を超える投資益を得られるなら法人化は有効だと考えます。
法人化すれば投資資金を銀行融資で調達できる?
投資には元金(タネ銭)が必要です。私も同意見ですし、投資苑の著者であるアレキサンダー・エルダー氏やバークシャーハザウェイのウォーレン・バフェット氏も同じことを言っています。
つまり、FXで法人化すれば銀行から資金を借りられて、その資産を元にお金を増やしていけば良いのではないか?と考える人もいますが、そうではありません。
銀行は融資資金がFXの投資資金とわかれば融資しません!
私もFXと付き合いが長いため、FXは投資と考えていますが、一般的にFXは投機の扱いになりギャンブルに近いものと解釈されています。
仮に不動産投資を行うなら、銀行は担保として物件に根抵当権を打つことができるので融資をしてくれる可能性は高いですが、FXの場合は押さえられる担保がありません。
また、法人がすでに数年前から設立されていて決算書の内容から『融資をしても取りっぱぐれはなさそうだ』と判断されれば契約してくれる可能性は少しはあるかもしれませんが、そもそもFXと聞いた時点で怪訝な顔をすることは間違いないでしょう。
しかも、融資を実行するに当たってFX投資以外の事業であることが条件になる場合が多いと考えられます。
つまり自己資金しかないということです。
素性を隠してノンバンクで借り入れをすることは現実的には可能かもしれません。ただし、この例で成功した事例は少ないように感じます。
例えば、一般的にお金を集めて投資をしているのはファンド、投資信託などですよね。これらの金融商品のリターンは年利回り3%~5%取れれば良い方です。相場は読み解いても必ず勝てるということもなく、負けた分も含めて世間的な利回りはこの程度です。
ノンバンクの高金利を返済できるとは考えにくいのです。
ハイレバ目的のFXは注意が必要
FXの法人化の大きなメリットは25倍を超えるレバレッジで取引できることですが、法人口座が25倍超を許容されているのは、プロだからレバレッジを管理してあげなくても良いよね?という考えに基づいています。
私がFXを始めた頃はレバレッジ50倍とか100倍を使える業者も多かった一方、資産をすり減らして退場していく個人投資家も多かったです。
25倍だからあまり儲からない。50倍なら儲かるかもしれない。というのは妄想でしかありません。
25倍でしっかり元金を4倍、5倍に増やせて、健全に稼げるようになってから検討しても遅くないと思います。急がば回れです。
Twitterでは法人化をすすめる声もある
配当金でセミリタイアするなら絶対に法人設立した方がいいよ。
1億5千万円分の株を保有して4%で回して年間600万円配当。受取配当金の益金不参入で所得は480万円。役員報酬で自分に240万、嫁に120万円出せば所得は120万円。法人で社会保険に加入して年間36万円の負担、残り84万円は適当に経費使えば— ふじモンLv7 (@fujimon_ao10) October 20, 2019
法人の所得は0になり15%源泉徴収されていた90万円は全額戻ってきて、税金は均等割の7万円だけになります。
家賃負担がある人は法人契約にすればかなり部分を経費に出来ます。
これだけあれば最低限の暮らしは出来る基礎部分は出来上がるので個人で運用する部分は余裕を持てるハズです。— ふじモンLv7 (@fujimon_ao10) October 20, 2019
賛否両論はあると思いますが、個人でも年間600万円の収入なら対した税金はかかりません。一般的に事業での所得が600~1,000万円を超えた時点で法人化を検討する人が多いとのことです。
この方の場合、税金のみをフォーカスしていますが、株式会社など法人成りするだけで費用がかかります。
- 登録免許税、定款等手数料202,000円(初回のみ)
- 法人税は毎年7万円(黒字、赤字関係なし)
- 納税は決算書(税理士を入れれば年間30万円ほど)
FX法人化を考えるならおすすめのFX会社は?
どこのFX会社も法人用口座を用意しています。私は個人的にはFXの自動売買がストレスがかからないのでおすすめしていますが、ほとんどの方が裁量取引を考えているようです。
裁量取引を考えた場合、上記の4つのポイントは外さないようにしてください。FX業界はすでに不良業者は排除されているので、下記の比較表の会社なら安心して利用できる会社ばかりです。
裁量取引を考えた場合、GMOクリック証券、みんなのFX、FXブロードネットあたりがおすすめです。
どこの会社もパソコンとスマートフォンからログインすることができ、外出中でもレートチェックやニュースをチェックできます。比較表のFX会社は全てが信託保全を行っています。
FX会社の利益と、投資家から預かった資産を別管理しているということ。仮にFX会社が破綻しても投資家の資産は100%返還される仕組みです。
現在、生き残っているFX業者は大きなグループ会社の一員だったり、一部上場している業者ばかりなので、破綻するリスクは極めて低いと考えられます。
FXの個人投資家は法人化するべき?まとめ
私と、私の周りの人の意見を総括すると、投資だけを事業にしている場合、法人成りは大きなメリットはないという判断になりましたが、これが正解とは限りません。
中には法人成りしたことで、上手くお金を回せている人もいるでしょうし、個人の運用方法や考え方で判断する方が良いでしょう。
物事にはメリットとデメリットが必ず存在するものです。
メリットとデメリットは十分にご理解いただけたかと思いますので、最終的な判断はご自身でしていただけますようお願いします。
【参考文献:FX個人投資家のための法人口座をつくるメリットQ&A改訂版 柴崎照久(著)】