【PR】この記事は広告が含まれています【出典:となりのトトロ】
FXはテクニカル分析が主流です。テクニカル分析とは過去の価格の値動きをチャート化(グラフ化)して未来の値動きを予想する分析方法ですが、中にはオカルト的なものも含まれます。
今でこそチャート分析は相場を読み解くためのツールとして利用されていますが、2000年頃までチャート分析はオカルトと言う意見が大半でした。

そもそも日本では株式取引が主流で、株はファンダメンタルズで動くことが多いので、チャート分析が認められるまでに時間がかかったという歴史があります。
ジブリアノマリーをご存じですか?
理論的根拠はないものの、よく当たる経験則のこと。例えば、4月は『こいのぼり天井』という相場格言があり、新年度は株価が上がりやすくゴールデンウィークまで相場が上がることが多い。
このように、理由や根拠は乏しくても『4月は買い』は過去の値動きから似たような動きをするというジンクスのようなものを指す。
ジブリアノマリーはウィキペディアに記載があるほど有名なアノマリーで、ジブリアノマリー、ジブリの法則、ジブリの呪いとも言われている相場のジンクスです。

ジブリファンや関係者からすれば、呪いとか縁起が悪いと思いますよね。トレーダーの縁起担ぎも大概にして欲しいものです。
今回はジブリアノマリーと相場のアノマリーについての考え方を確認していきます。面白いと思うので最後までお付き合いいただけますと幸いです。
そもそもジブリアノマリーって何?
【出典:スタジオジブリ】
スタジオジブリと言えば、日本を代表するアニメ制作会社で、となりのトトロ、魔女の宅急便、千と千尋の神隠し、もののけ姫、風の谷のナウシカ。数えればキリがないほど名作を世に出しています。

娘の幼稚園の運動会の閉会式では、トトロの曲で踊る可愛らしい姿を今も覚えています。
ジブリ作品は子供の運動会に使われるほど有名で作品数も多いですから、地上波で放送されることも多く、ジブリ作品が放送されれば視聴率も取れることから、日テレ系の金曜ロードショーでよく放送されています。
また、年代を問わず楽しめる作品が多いので、年に1度放送しても飽きられることなく安定的に視聴率を取っていることでしょう。(憶測の話)
ここまでは普通の話ですが、金曜ロードショーと言われてピンと来た人はFXトレーダーです。

毎月、第1週目の金曜日はアメリカの雇用統計が発表されるので、相場が大きく動くことが多いですよね。雇用統計をご存じない方は下記のリンクも併せてご覧ください。
【参考:【注意】FXの雇用統計はお祭り!取引前に確認しておきたいトレードのコツ】
どこかで誰かが言った!ジブリ放送日は相場が下がる!
どこの誰が言い始めたかわかりませんが、ジブリが放送される日は円高になることが多いという噂話がSNSやブログなどで出回ったようです。2008年頃の話です。
ジブリは作品数が多く、テレビ局も積極的に放送したい案件なのですが、ジブリというネームバリューが強すぎて、円高になったこととリンクして投資家の記憶にこびりついてしまったようです。なんともお粗末なお話。

ゆっくり映画みるなら金曜日だと思うので、ジブリは完全に被害者です。たまたま雇用統計と日にちが被ることが多かったのでしょう。
2010年1月から2013年7月までに、ジブリ作品は24回放映されているが、そのうち2/3近い回数で放映日翌日以降の最初の取引日には東京市場の為替相場で円高が起こり、約半数の場合で株価が下落しているほか、各種統計調査の結果の内容も芳しくないものが、かなりの割合で出されることが多いとされている。この両者の相関関係から、ジブリ映画が放送されるたびに、東京市場では株式市場や外国為替相場が大荒れになるという噂が、2008年頃から株や市況を生業にしている人たちの間の一部で盛んに叫ばれるようになった。その中でも米国雇用統計が発表される日と、金曜ロードショーにおいてジブリ作品が放映される日が重なる日は、とりわけ円高・株安に振れやすいと言われてもいるとされる。特に2010年からの3年間において、米国雇用統計の発表と金曜ロードショーにおけるジブリ作品の放送日が重なった日に限定すると、その90%の日において、ジブリの呪いの通りの結果となったとされる。一方、その期間中に雇用統計が発表された日だけで見た場合、全体の59%の日でしか、市況の悪化は見られなかったことから、この法則を事実視する報道がある。なお、これについて2015年10月2日には、テレビ東京も、自社が放映している経済情報番組の一つ、ワールドビジネスサテライトにおいて検証報道を実施し、米国雇用統計の発表の日にジブリの放送があると景気が悪くなるという趣旨の報道をしている。
【参考:ウィキペディア】
日経新聞やWBSで有名なテレビ東京が報道するレベルまで一時大きな話題となりました。

どんだけオカルトやねん!
しかもウィキペディアではジブリの呪いというタイトルだし、呪いはさすがに・・・。呪いは貞子の方が似合います。
ジブリアノマリーは時期的なものでしょう!検証した人もいた
私の肌感覚では金曜日は円安に振れることが多いように感じています。(2022年時点)
しかし、ジブリが放送される日に限って円高になる可能性が高いなら、何か因果関係があるかもしれません。
ジブリアノマリーについて、調べた人がいるので内容を確認してみましょう。
時期 | 放送回数 | 円高になった回数 | 確率 | 備考 |
2010年1月~2013年7月 | 24回 | 15回 | 62.5% | 東京市場で円高、株価下落、経済指標が悪かった。 |
2013年9月~2016年7月 | 17回 | 5回 | 29.4% | 東京市場で円高、株価下落、経済指標が悪かった。 |
表にすると大したことはありませんが、下落時にインパクトの大きい下落になったのかもしれません。さすがに情報が古すぎて記憶にありません。
ウィキペディアでも2/3に近い回数で円高が起こっていると記載されていますが、%に直すと62%、2013年以降に至っては29.4%でジブリアノマリーを信じて取引した人が損をしている結果になっています。
2010年頃はサブプライムショックが少し落ち着いてきたかな?という時期で、まだまだ経済指標は市場の予想より悪く出ることが多かった時期です。
しかも、この話は予想以上に大きくなって、ウォールストリートジャーナルが大きく報じたようです。オカルトの話は一体どこで収束するのかという感じですよね。
ところが、現在はジブリアノマリーを信じる人は減ってきて、めっきりこの話題は聞かなくなりました。
ウォールストリートジャーナルとことん取材する!
このようなオカルト的な話でも、話題になりそうと思えば徹底的に取材をするのがメディアで、ウォールストリートジャーナルが日テレに取材をしたようです。
『ジブリ映画を放送すると円高になることが多いんですが、日テレの見解をお聞かせください!』
『アホか!知らんわ!コメントする内容か、それ!』

ごもっとも
相場は予想できるものの、予言できる人はいません。精度の良いチャートでも的中率が70%あれば優秀ですし、アノマリー(ジンクス)があれば信じようと考えるのはトレーダーの本質なのかもしれません。
アノマリーは信じる人が多くなるほど、予想と同じ方向に動くことをご存じですか?

ジブリアノマリーのお話はここで終わりです。
続いて、なぜジブリアノマリーが信じられたのか?実は過去に同じような事象で世界がパニックになった事件が起こっています。
興味がある方は引き続きお付き合いください。
アノマリーの本質は人間心理
トレーダーは勝ちたいと考えます。しかし、実際の勝率は7割もあれば良いほうで、いくら予想を立てても外れることもあるし、予想と全く違う動きをするのがマーケットです。

100発100中とか、絶対儲かってると言ってる人は嘘つきか情報商材屋なので気を付けてください。
トレーダーは勝ちたいと思うのと同時にリスクを嫌います。明らかに負けそうだと思ったら、損失を出してでも手を引きます。これを損切りと言いますが、損切りはトレーダーの深層心理が働いています。
本気でジブリアノマリーを信じているトレーダーAさんがいるとします。ドル円の買いポジションを持っていますが、2日後の金曜ロードショーでラピュタが放送されることを知りました。
ポジション的には1万円くらい損失を出していますが、ラピュタが放送される当日に大きく円高になると損失は大きくなるかもしれないと考えます。
それなら1万円の損失を確定して、週明けから仕切り直そうと考えて、ドル円の買いポジションを決済しました。
AさんはSNSをやっています。SNSで『ジブリアノマリーあるかもしれないから損切りしたわ』とつぶやきました。
ジブリアノマリーを知っている人は『ああぁ、ラピュタやるのか』とか『そんなん、本気で信じてるの?』と思う人もいるでしょう。
知らない人はネットで調べます。ウィキペディアにも載っているくらい有名なアノマリーなので、調べ終わった後に信じる人は一定数いることでしょう。
Aさんと同じように、念のためポジションを閉じておこうと思う人もいるかもしれませんし、中には、ジブリアノマリーがあるなら売りポジションを持っておこうと考える人も出てきます。
ジブリアノマリーを半信半疑に思っている人は『信じてないけど、大きく下がったら損をするので30pips下がったら決済の注文を出しておこう』と考えるかもしれません。
こうして、ただの噂が人の深層心理に働き、売りが売りを呼び、本当にドル円の価格は下がっていくのです。

相場に不安を感じるときはさらに速度を上げて伝染します。まさにウイルスみたいなヤツです。
マーケットの値動きを元にVIX指数というものが算出されています。VIX指数は別名を恐怖指数とも呼び、VIX指数が高いほどトレーダーは恐怖を感じているという指数です。
つまり、VIX指数が高くなっている状態でジブリアノマリーの話を聞いてしまうと恐怖感増し増しで、市場はパニックになってしまうということです。
このような深層心理があることから、チャートの動きは過去の動きと同じ動きをすると言われています。
ブラックマンデー
ジブリアノマリーのような噂話が世界株安を引き起こしたことがあります。ブラックマンデーです。
1987年10月19日、香港から皮切りにアメリカのダウ平均株価が22.6%下落し、過去最大の下げ幅を記録しました。今のマーケットでも急落があったときにブラックマンデーの対比何%と表現されることがあるほど有名な世界同時株安です。
エコノミストはブラックマンデーが起こった理由をこのように説明しています。
- オイルショックからの高金利状態の放置
- アメリカの双子の赤字問題
- イラン・イラク戦争
- 原油問題と戦争問題
- 自動売買の売り注文が発動した
原油や戦争、アメリカの赤字問題はブラックマンデーの10年以上から起こっている問題で、影響はあるものの直接の原因ではないと考える人も多いです。
一定の原因ではあるものの、売り注文が殺到したことで、人が不安になり株を手放し、さらに価格が下がったことでファンドの自動売買が自動決済で損切りをしたことで売りが売りを呼んだとも考えられています。
株は欲しい人が多ければ価格が上がり、人気がなければ下がる原則なので、売られれば価格が下がるのは当然です。
全てのことに理由をつけるのは難しいかもしれませんが、恐怖指数が上がることで予想以上に売りが売りを呼ぶことはマーケットでは頻繁に起こります。
このようなことをトレーダーは認識しているので、ジブリアノマリーをただのオカルトと思わず、注意事項として逃げる準備をしている人が多いのもこのためです。

何が起こるかわからないのがトレードの世界なので逆指値はいれておきましょう。
最後にSNSでジブリアノマリーはどう見られているか
金曜ジブリアノマリー最強説www pic.twitter.com/UzOAg1MTA7
— ゾンバー🐻❄️(‘﹏*๑)ウッ… (@Bg_Zonber) January 7, 2022
今日の日経の下げは
ジブリアノマリーのせいか…🤣🤣 https://t.co/asUulUpr21— ろっく🔑草食系YouTuber×投資家 (@rock_steadey) January 7, 2022
ガチで円高になってるやんけ
ジブリアノマリーすげえな— オレ的ゲーム速報JIN@FX・株投資部 (@oreteki_douga) August 14, 2020
え!?今週の金曜ロードショーってジブリなの!?(。・ω・。)相場のジブリアノマリーが…くる!?
— 川崎ドルえもん (@kawasakidoruemo) January 5, 2022
明日の雇用統計めっちゃ悪い数字出て暴落したら笑うけど
考えづらいよなー
ジブリアノマリーでワンチャンある?— ななみ (@nanaminsaito11) January 6, 2022
おはようございます☀
今日は金曜日、週末です❗️
そして、新年1発目の金ロージブリデー😁『千と千尋の神隠し』が放送されます😉✨ジブリ放送日は夜に円高・株安になるというアノマリーがあります😮新年1初のジブリアノマリー炸裂になるか注目です🔥
今日も1日よろしくお願いします🥴👍
— れぐ【投資退場中/くりっく株365(CFD)】 (@_LifeReversal) January 6, 2022

これらのツイートは2022のものです。すでに通用しなくなっているにも関わらず、トレーダーは心の片隅で過去の値動きを気にしていることがわかります。
冷静に考えると、このようなことだと思いますが、アノマリーが深層心理に働き、価格を動かしているというのは事実と考えて良さそうです。
信じるか信じないかはあなた次第です。最後にジブリを代弁したいと思います。

呪いいうな!!!
過去にトトロの都市伝説的な話が話題になったことや、ジブリのネームバリューの強さから、このようなアノマリー(ジンクスが生まれたのだと思います)