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投資初心者も簡単に始められる投資の代表格は投資信託ですが、投資信託の位置づけは超長期運用で、老後のための資産運用という意味合いが強いです。
ここで新しく生まれた投資がソーシャルレンディング(以下ソシャレン)で、投資信託と比較すると年間利回りは2~3倍高く、相場を予想する必要がないので投資初心者にも人気です。利回りは5.0%~12.0%と高利回りです。
しかし、一部の不良業者が問題を起こしました。高利回りを謳っていた業者が①本当は投資をしていなかった、②身内の会社に投資していて(そもそもしていない?)相次いで金融庁から業務改善命令や、集団訴訟を受けている状況です。
中にはマジメに営業している業者も多いのですが、問題を起こす不良業者がピックアップされるのでソーシャルレンディングは怪しい投資と思われています。
ソーシャルレンディングの基本的なことはこちらの記事を参考にしてください。
【参考:100万円が10年後259万円に!運用率の高いソーシャルレンディング】
私ははじめ、第二種金商の登録があればマトモな業者と思っていましたが実際はそうではありませんでした。
私がソシャレンについて調査したことや、不良ソシャレン業者が起こした問題、不良業者の見極め方とリスクについて確認していきましょう。
何社かソシャレン業者のセミナーに参加したときに聞いた内容も網羅しています。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
ソーシャルレンディングの仕組み
業者によってはソーシャルレンディングと言ったり、貸付型クラウドファンディングと言ったりします。どちらも意味合いは同じです。
銀行を通さず、投資家が企業に融資をしてリターンを求める仕組みがソーシャルレンディングです。言ってみれば、投資家が銀行の役割を果たすということです。(中間にソーシャルレンディング業者を挟みます)
銀行の融資には時間がかかるので、企業が多くの案件を持っている場合、ソーシャルレンディングを利用してビジネスを回すことができます。
アイディアを持っている業者や、不動産関連業者は1案件にかかるお金も多額なので、銀行融資やソーシャルレンディングを組み合わせて事業を行います。
日本の政策金利は-0.1%になっており、銀行はお金を持っているだけで中央銀行に金利を支払わなくてはなりません。そのため、銀行は資金需要者には融資を行いたいのですが、①信用が著しく低下している先、②起業して間もない先、③銀行との取引の実績がない先に大きな金額の融資をしません。
また、銀行融資は実行されるまでに時間がかかることも多く、資金需要者が急にお金が必要な場合、対応できません。
ここで登場するのがソシャレンで、一般の投資家から資金を集めて資金需要者はビジネスを行います。そこで得たリターンの中の一部を投資家に利益として返します。
ここで重要になってくるのが、どんな資金需要者にお金が渡っているか?という点です。ソシャレン業者の情報開示が雑だと、事実が見えないことも多いのです。
ソシャレン業者の失態1:みんなのクレジット
みんなのクレジットは投資家から集めた約45億円を親会社の(株)ブルーウォールジャパン【現社名は(株)テイクオーバーホールディングス】などに貸し付けたとして出資法違反で金融庁から業務改善命令、業務停止命令が出ました。
出資法違反以前に、そもそも常識的におかしいでしょう?という気がします・・・
みんなのクレジットは第二種金商の登録を受けた業者でした。
2017年に行政処分を受けて新規案件は停止。みんなのクレジットは社名を変え、代表取締役を変えて今も生き永らえています。
- 投資案件に不動産担保設定をしていると虚偽の説明をしていた
- 集めた資金を社長個人(白石伸生氏)が資金流用をしていた
- 情報を隠して身内への貸付
- 身内への会社への融資ばかり
また、どのような基準で投資先を選択していたかも疑問ですが、信用が著しく低い業者への投資が多く、回収額は45億円のうちの3%にも満たないということです。
いくら投資先の信用が低くても元金の97%が棄損するのは考えにくいんですが・・・
現在もみんなのクレジットに投資していた投資家との間で裁判が行われています。
ソシャレン業者の失態2:maneo(マネオ)
maneoはソーシャルレンディング業界でナンバー1だった会社です。業界をけん引しなくてはいけない会社が起こした不祥事は社会を震撼させました。マネオの扱っていた案件の多くは国内の不動産担保融資が大半でした。
2018年7月、証券取引等監視委員会は金融庁へ行政処分を行うように勧告しました。理由は再生可能エネルギー事業に投資するはずの資金2億5,000万円は、JC証券に流用していたことが判明したからです。
これに追い打ちをかけて、2018年12月からなぜか一斉にファンドの遅延が発生し、総額223億円の分配が滞りました。
- 太陽光発電事業への投資資金を無断でグループ会社に貸付
- 集めた資金を社長個人(瀧本憲治氏)が無断で個人流用
- ファンドに虚偽の表示を意図的に行った
- 担保付債権と謳いながらも担保設定はされていなかった
- 現在、債権者と裁判中。被害総額は223億円に上がる
maneoのファンドを深掘りしていくと最悪です。全ての案件を遅延させているクラウドリースや、担保設定をしていないキャッシュフローファイナンス、maneo本体が運用していた川崎ファンドは回収が絶望的だそうで、サービサー(債権回収会社)に債権を売却しても二束三文の価値にしかならないだろうと言われています。
そして、maneoは問題を起こした企業の常套手段で、サムライ証券という子会社を作り、同じようなファンドの募集をかけています。代表取締役はSEを担当していた者が行っています。
サムライ証券は、コンプライアンスを重視した会社作りを目指すと説明していますが、説明自体が曖昧で、バックについている保証会社は(株)日本保証(旧日栄)です。1999年の取り立て問題を起こした会社です。債権回収を行ったとき『金が払えないなら腎臓売れ!』と暴言を吐いたことで悪名が高い会社です。
しかも、その子会社に武富士も入ってます。武富士も日本保証の中の一部として機能しているようです。
投資家の悲痛な叫び
みんなのクレジットで実際に起こった事件で、WBSで特集が組まれました。これ以外にもラッキーバンク、クラウドバンク(名前が似てるものが多い)なども資金管理を徹底しておらず、顧客からの預かり資産を把握できていなかったとして行政処分を受けた経緯もあります。
しかし、担保付債権であること、元本割れ0件と謳われては投資家は開示された情報を信用するしかありません。
虚偽の表示をする業者は、しっかり投資家に補填をして社会的な責任をしてもらいたいものです。
まじめなソシャレン業者を確認する方法
ソーシャルレンディングや貸付型クラウドファンディング業者は、自分たちの業界が非常に良くない状態であることを理解しています。
そのため、『自社は他とは違う!』と鮮明に代表取締役が顔出しでメッセージを発信している会社や、商社が資産を投入している会社を選ぶことが重要です。
金商の登録番号は当てになりません。
- 代表取締役からのメッセージがある。代表が顔出ししている
- 代表者の書籍があったら読んでみる
- その会社に商社が出資をしている
- ファンドの情報が読めないくらい膨大にあること
- テレ東系で取材を受けていたり、経済誌で紹介されていると良い
- 投資先の匿名化を極力解除していること
- 元本割れを隠していない
- すでに有名な証券会社
株式投資や先物取引、FXがそうだったように、ソシャレンも数年したら不良業者は淘汰されると思いますが、過渡期には不良業者が出てくるのは世の常です。
私の経験を元にお話をさせていただくと、上記のポイントが合致していれば良い業者である可能性は高いです。
こまかく確認してきましょう。
①②代表者からのメッセージが公表されている
クラウドクレジット代表の杉山氏です。私も何度かクラウドクレジットのセミナーに参加しました。
投資家からの質問には社長自ら解答されていましたし、現場がわかる人の回答なので非常に安心できます。(社長は現場のことや実務のことを知らないことが多い)
印象としては、とても頭の良い人だなと感じました。1回目のセミナーに参加したことで、私はクラウドクレジットに投資を決めました。
クラウドクレジットの杉山氏の著書です。東大を卒業してから大和証券SMBCに入社、ロイズ銀行に転職してから、銀行融資の行き届かない地域へお金を融通する方法を考え続けた内容が記されています。
金融工学への考え方、杉山氏がマジメな人間で、どのようにクラウドクレジットを発足させたか理解できる内容になっています。こちらの書籍を読んでも誠意溢れる人間味を感じることができました。
書籍の金額も高いものではないので、興味がある方は目を通しておいても良いと思います。
このように情報収集してからリアルマネーを投資しました。もし、この会社が不祥事を起こすようなら私の投資家人生は終わりです。(人を見る目がないという意味で)
資産は100万円。運用期間は13カ月のものを選択しています。満期は2020年6月、分配は7月の予定です。購入してからは何もチェックしていませんが、今から満期が楽しみです。
③出資されているということは信頼の証
企業が出資するということはお金の匂いがするということです。商社の伊藤忠商事、マネックス証券、MUFGグループという日本を代表する金融会社が名前を連ねています。
出資先も杉本氏と何度も面談をして出資を決めているはずです。出資企業はリターンを期待しているので、これだけ大きな企業の資金が集まるということは信頼も厚いと期待できるわけです。
④⑤⑥ファンドの情報量が膨大であること!
業務改善命令を受けている業者や、業務停止を受けている業者の特徴として、ファンドの情報を募集をかけた1回だけ表示して利回り、満期日だけ記載しているものが多いです。
いわゆるペラ1枚というやつです。
クラウドクレジットや優秀なソシャレン業者は、投資家に内容を読んでもらいたいのと、自信があるので読み切れないほどの投資情報がサイト内やブログ内に散りばめられています。
ソシャレンで問題になったことの1つに『投資先を匿名化していることで、本当に投資しているのか情報が見えない!』点です。
私たちが業者が出す情報のみを信じるしかありませんでした。
もちろん、全ての情報は開示できません。例えば、デフォルトを起こした企業に投資家が集団で押しかけたなんてことがあれば、それこそ社会問題になります。
ソシャレン業者はできる範囲で匿名化を解除、投資家に透明性の高い情報を提供していることが望ましいのは言うまでもありません。
また、テレビ東京系は経済に強い番組で、面白い企業や新しい取り組みをしている会社の特番を組む事でも有名です。下準備にも力を入れていて、怪しい業者の特集は組みません。
テレビ東京やNHK、経済誌などのメディア露出度が高いと信用性も高まります。SPAなどのゴシップ誌はNGの方向で。
⑦元本割れを隠していない潔癖な会社を選ぶ!
ソーシャルレンディング、貸付型クラウドファンディングは銀行が融資しない先へ資金提供をすることで高配当を受けられる投資です。
不動産担保ローンや海外への貸し出しが多く、リスクがあることは事実ですし、何百本もファンドを作っていて全てに遅延がないなんてことはありえません。
問題はデフォルトした場合、投資家にどれだけ元金が戻ってくるかが重要です。最終的に回収不能になってもサービサーに債権譲渡はするはずなので、投資額全てがパーになることは考えにくいと思っています。
また、海外への投資に力を入れている業者なら為替リスクがあります。クラウドクレジットの説明でも元金割れしているものの円高に振れてしまって利回りが悪くなったり、場合によっては、投資額の100%を下回るケースもあるという話をしています。
円高が悪いということではなく、デメリットをしっかり説明してくれるソーシャルレンディング業者を選ぶべきです。
本文の冒頭で、問題を起こした不良業者の説明、私の憶測ですが、一気に全てのファンドに遅延が発生することなど考えにくく、はじめは損失を隠していて、隠しくれなくなって遅延が発生と説明してきたのではないか?という仮説を立てています。
つまり、はじめからデフォルト情報をしっかり開示しているクラウドクレジットやSBIソーシャルレンディングが紳士的なのです。
⑧すでに有名な会社なら安心して利用できる!
ソシャレンは新規業者が多いなか、SBI証券がソーシャルレンディングに参入しました。SBIグループと聞くだけで安心感があります。
SBIソーシャルレンディングは開始早々デフォルトが発生していて、一部の投資家からは『SBIはいけてない』とか『案件の選定が甘いのではないか?』と揶揄された時期もありました。
実際にフタを開けてみると違いました。SBIソーシャルレンディングは素直にデフォルト情報を投資家に開示していたので今も信頼を得ていますが、悪い情報を故意に隠していた業者はツケが周り、集団訴訟などに発展しているのです。
要するに素直で紳士的な業者が一番ですよね!
ソーシャルレンディング 不良業者の見極め方まとめ
ソーシャルレンディングは、銀行が融資しない先にお金を回すことで成り立つビジネスです。私たち投資家はリスクがあることを理解する必要があります。
ただし、ここ数年の間に不良業者は淘汰されていて、安心できるソシャレン業者は絞られてきました。
そもそも、環境エネルギーに投資するはずが『自分の親会社に投資しても問題ないと思っていた』言い訳が苦しすぎますし、投資家から集めたお金で豪遊でもしていたんでしょう?と思われるのが普通です。
繰り返しになりますが、①社長自らが顔出しでメッセージを発信している、②商社や証券会社が出資している業者、③大手証券会社などに限定していくと優秀な会社は見つかるはずです。
ソーシャルレンディングは相場を予想する必要がないので、買った後は満期を待てば良いだけで、満期も1年前後と短期のものが多いです。
5年~10年も回していけば一財産も築けるでしょう。
業者選びは丁寧に行ってください。